「そのタイムカプセル、ちゃんと掘り起こす予定ってありますか?」
私をじっと見つめて、東野さんは言った。
観察されている気分だ。
「どうして、そんなことを聞くの?」
「だって……」
東野さんは俯いて。
「だって。タイムカプセルを埋めようなんて誘われても、友情なんて信じられないから」
ぽつりと呟いた。
「信じられないって?」
私は内心、ホッとしてしまう。
良かった。
良かった、清香ちゃんのことじゃない。
東野さんは私の言葉に、
「そのままの意味ですよ」
と言ってから、急にニコニコと笑顔になって、こう続けた。
「私、誰のことも信じてないから」
思いも寄らない言葉に、私の頭の中はモヤモヤしてしまう。
これは……。
生徒からの、SOSなのか?
それとも、もっと他の意味を持ってる?
東野さんは掲示板に向かいながら、
「タイムカプセルなんて、私は埋めない」
と話した。