この世界から飛んでいってしまった親友は、着ていた洋服のポケットに手紙を入れていた。
「シー・ファンキーズ」の優大に宛てた、いわゆる遺書だった。
……全然知らなかった。
その笑顔の裏で。
こんなに思い悩んでいたなんて。
「シー・ファンキーズ」の曲が流れると、清香ちゃんをどうしても思い出してしまうから。
いつの間にか「シー・ファンキーズ」を避けるようになった。
「……あれから8年も経ったんだ」
私は25歳になって。
清香ちゃんは、17歳のまま。
約束なんか。
約束なんか、しなかったら良かった。
幸せな、今を。
後ろめたく感じずに済んだかもしれないのに。