月日を重ねて。



年齢を重ねて。




どんどん、清香ちゃんのことを考える時間は減っていったように思える。




忘れない、とは思う。




だけど、忘れてしまっている時間は、確かにあるんだ。






「ごめん、清香ちゃん」



目に涙が溜まる。







清香ちゃんは、明るくて活発な女の子だった。

運動神経が良くて、勉強はちょっと苦手。


好き嫌いがはっきりしていて、周りから「キツイ子だね」って誤解されることもあったけれど。



嘘のない、誠実な人だった。




どこか大人びているくせに、「シー・ファンキーズ」の話になると夢見る女の子で。



いつか優大に会いたい。

私の運命の人は、優大だけなんだ。



そんなふうに言って、うっとりとしていた清香ちゃん。




だけど。