私も真もすっかり優大の大ファンになって、優大に出会わせてくれた清香ちゃんに感謝の言葉をたくさん贈った。
清香ちゃんは、
『いいの、いいの!優大のファンが増えて私が喜んでるだけだから』
と、カラカラと笑っていた。
その恋愛映画を観に行く日。
両親の大反対で真は連れて行けなかった。
『子どもが観ても大丈夫な映画だって!』
と何度も説得したけれど。
『まだ真には早いの!』
と、両親は聞いてくれず。
あの日の真の号泣した声を、私は未だに覚えている。
高校生になり、自由に映画を観られるようになった真は、レンタルショップで映画をよく借りるようになった。
1番はじめに借りてきた映画は、言うまでもなく、優大主演の恋愛映画だ。
「横手先生?」
名前を呼ばれて、ハッとした。
「え?」
原先生が不思議そうな顔をして、こちらを見ている。
「……意識、飛んでますよ」
そんなことないです、と言いかけてやめた。
さっきから採点している手がちっとも動いていない。
「……気をつけます」
仕方なく私はそう言って、今度こそ仕事に集中した。
清香ちゃんは、
『いいの、いいの!優大のファンが増えて私が喜んでるだけだから』
と、カラカラと笑っていた。
その恋愛映画を観に行く日。
両親の大反対で真は連れて行けなかった。
『子どもが観ても大丈夫な映画だって!』
と何度も説得したけれど。
『まだ真には早いの!』
と、両親は聞いてくれず。
あの日の真の号泣した声を、私は未だに覚えている。
高校生になり、自由に映画を観られるようになった真は、レンタルショップで映画をよく借りるようになった。
1番はじめに借りてきた映画は、言うまでもなく、優大主演の恋愛映画だ。
「横手先生?」
名前を呼ばれて、ハッとした。
「え?」
原先生が不思議そうな顔をして、こちらを見ている。
「……意識、飛んでますよ」
そんなことないです、と言いかけてやめた。
さっきから採点している手がちっとも動いていない。
「……気をつけます」
仕方なく私はそう言って、今度こそ仕事に集中した。