「まぁ、いいけどさー。ちゃんと案内できたわけ?」 「それが……」 深雪さんは困った表情を浮かべた。 「結局、よく分からなくなって。おばあさんとふたり、交番に駆けこみました……」 「やっぱりな!」 店長と深雪さんは笑っている。 ……いいな。 私はふたりの笑い声を聞きながら。 俯いて、ひたすら涙を拭いていた。 冷めたロイヤルミルクティーにじっと見られながら。