家の前まで帰ってきて。
玄関のドアを開ける。
「ただいまー!」
部屋の奥からパタパタと足音がする。
「おかえりなさーい!」
深雪さん。
マーチ、ポルカ。
みんなが揃って迎えてくれる。
……あぁ、いいなぁ。
オレの大切な家族。
ずっと一緒にいられるためなら、なんでも頑張れる気がする。
ずっとそばにいられるなら、どんなことでも乗り越えていける。
生きる意味が、ここにはある。
「今日、ポルカがまたマーチのごはんを食べちゃって、マーチに怒られていましたよ」
深雪さんがポルカを抱っこする。
「あはははっ、またですか?……ポルカー、食いしん坊やなぁ。マーチの分は食べたらあかんやん」
「んにゃーん!」
マーチが足元で鳴いた。
オレもマーチを抱き上げて、深雪さんとリビングに移動する。