「あれ?なんで真っ赤?」
優大くんは笑いながら、私の両耳を軽く引っ張った。


私なんか(・・・・)地味で目立たないから、報道する人達もきっとガッカリしちゃいますね」
と、私は言った。


それからハッとした。




「あっ!!」



ふたりの声が重なる。


逃げる暇もなく、優大くんにぎゅうっと抱きしめられて、息が出来ないくらいにキスをされてしまった。





唇を離した優大くんは私をじっと見つめる。
あの夕焼け空の瞳で。

それから小さな声で、
「……苺みたい」
と、呟いた。



「どういう意味ですか?」
ドキドキしつつ、気になって仕方がないので聞いてみると、
「深雪さん、可愛いから」
と、優大くんも赤くなっている。



「初めて食べ物に例えられました」
素直に言ってみると、
「……オレも初めて例えました」
と、優大くんが笑った。




ふたりで、クスクス笑って。


ぎゅっと抱きしめ合った。






この人と、生きていく。

そう思うと、未来が楽しみで仕方がない。