「……元気ない?」
と、優大くんの腕の中で尋ねると、
「うーん、今、元気補給中な感じです」
と、優大くんは少しだけ笑った。
何があったんだろう?
私に何か出来ることあるかな?
「元気が出ますように」
そう言って、手を伸ばして優大くんの頭を撫でた。
身長差がある上に、抱きしめられたままなので、後頭部くらいにしか手が届かなかったけれど。
優大くんは、
「ありがとうございます」
と、少しだけ腕の力を強めた。
コーヒーを淹れて、リビングのソファーに座っている優大くんにマグカップを手渡す。
「『シー・ファンキーズ』の新曲、聴きました?」
優大くんがマグカップを受け取りつつ、尋ねてきた。
「びっくりしてしまいました!」
私もソファーに腰かける。
「なんだか、バラードの住人になった心地でした」
「バラードの住人?」
「優大くんのおかげで、曲の世界に住んでいる気分です」
にっこり微笑むと、優大くんも笑顔になって、
「深雪さんにあげる、あの曲」
と言った。
!?