翌日。

お昼過ぎ。

ソファーに座って読書をしていた。
好きな作家のエッセイ集で、クスッと笑えたり、感動して泣いてしまったり。
私としては心が忙しい本だ。


今もまさに感動的な展開で、ついウルウルしていたら。


ひざのあたりにふわっとした感触。



……ん?




見下ろしてみると。




マーチが私のひざに手を置いている!!



「えっ、えっ!マーチ、抱っこしてもいいんですか?」

じっと私を見つめるマーチは、
「んにゃ〜ん」
と甘えた声を出した。


「いいよ〜」と、言ってくれたように感じる。


恐る恐るマーチの背中に指先を置いて、そっと撫でた。


「ゴロゴロゴロゴロ……」


マーチが私のひざの上でコロンと寝そべる。




かーわーいーいー!!!





ふんわりと抱っこしてみる。


柔らかくて、温かい。



マーチの体温が、両手から伝わってきた。