「……また、勇気が出たら指輪つけます」

「やった」
優大くんが笑った。




マーチとポルカがリビングのすみっこで遊んでいる。

お気に入りのオモチャである、くまのぬいぐるみを取り合っていた。


勝者はマーチ。
嬉しそうにくまのぬいぐるみを抱えて、のどをゴロゴロ鳴らしている。


「ポルカ、おいで」
優大くんが呼ぶと、ポルカは嬉しそうにテクテク寄ってきた。

私を後ろから抱きしめたまま、片手でポルカの頭を撫でる優大くん。

ポルカは目を細めて、嬉しそう。



「可愛い」
思わず声に出していた。


「深雪さんも撫でますか?」

「いえ、今は我慢です。ポルカに好かれて、ちゃんと本人から了承を得て、撫でさせていただきます」

マーチやポルカが嫌がることはしたくない。


「……そういうところ、好きです」
優大くんが笑顔になる。
それから、
「でもポルカが逃げなくなりましたね」
と、嬉しいことを言ってくれた。