「キレイ……」
シンプルなリングと、いくつかのダイヤモンドが並んで付いているリングの2連になっている指輪だった。
「指にはめてもいい?」
優大くんが私の左手をそっと手に取る。
「……私で、いいんですか?」
涙声で尋ねると、優大くんはニッコリ笑ってこう言った。
「深雪さんが、いいんですよ!」
リングをゆっくりした動作で、薬指にはめてくれる。
「……あれ?」
ふたりの声が重なった。
指輪のサイズが少し大きいみたいで、私の指には少しぶかっとしている。
「サイズ、違いますね」
「そのようですね……」
優大くんが、
「あはっ」
と笑い出して。
ふたりで大笑いしてしまった。
それから。
私達は優大くんのご両親、私の父や薫おじさんなどの親戚や、「シー・ファンキーズ」のメンバーのみなさんや事務所関係者などの優大くんのお仕事関係の人達に挨拶をする日々を過ごして。
少しずつ優大くんと一緒に生きていく準備をしていった。