自分の気持ちに蓋をして、優大くんを守ったつもりでも。
本当のところは、傷つけた。
こんなに好きなのに。
愛しているのに。
優大くんのお仕事のことは、私には分からない。
でもそれは、知ろうとしてなかったからじゃない?
邪魔になるかもしれない。
でもその度に、優大くんと考えていけばいいんじゃない?
ふたりで一緒にいられるように、協力することだって出来るはず。
そう思ったら居ても立っても居られなくなり、私はスマートフォンを持って玄関まで走った。
もどかしい気持ちで靴を履いていると、スマートフォンが鳴った。
画面を見る。
『着信 優大』の文字。
信じられない気持ちになる。
震える手で応答ボタンをタップした。
「……もしもし」
『深雪さん?』
……優大くんだ。
『深雪さん、あの……』
あれ?
優大くんの声が二重で聞こえる?
私は玄関ドアを勢いよく開けた。
ガチャッ!!!
「わっ!?」
優大くんが立っていた。
驚いた表情の彼に、私は抱きついた。
両腕でめいいっぱい、強く抱きしめた。