「ここで大丈夫です!ごめんなさい、手伝わせてしまって」
女性はニコニコ笑って、ペコッとお辞儀した。
「何やってんのー、陽菜ってば、それくらいひとりで運べたでしょー?」
遠くからもうひとり、女性が現れた。
花柄のワンピースにゆるめに留めたお団子ヘアの、華やかな女性だった。
「明菜姉ちゃんが、サボってどっか行くからじゃん」
陽菜と呼ばれたカンカン帽の女性が、ふくれてみせる。
「会社が休みの日に、こうして手伝いに来てるだけ感謝してよねー!大学生の陽菜とはち、が、う、の!」
明菜さんもふくれ面をしてみせる。
姉妹なんだ?
一見似ていないように見えるけれど、ぱっちりした目元が似ている気もする。
明菜さんが、私に向かって微笑む。
「もうすぐ開店なんですぅ、陽菜……、妹のお店!趣味でやってるんですけど、手作りアクセサリーのお店で!もし良かったら見て行きませんか?可愛いの、いっぱいあるし!」
「あ、どうも……」
私が見て分かるかな?
アクセサリーとか、本当に疎いんだけど。
ほんのちょっぴりの不安がよぎる。