「焦るわー!」


取材が終わって。

次の現場に向かっている車の中。


周が笑いながら大声で言った。





「オレが1番焦ったわ」

頭を抱えてオレは俯く。





「苺みたいな人って、どんなんやねん!?」

周はまだ笑っている。


「人間を食べ物に例えてる人、オレの今までの人生の中で優大が初めてかもしれへんわ」



「……もうやめてぇー」


オレの顔は多分、まだ赤い。


「曲の質問をされるって思ってたから、まさか理想の女性のタイプを聞かれるとか、ビックリしてしまうやんか……」


「しかも優大がトップバッターやったもんな。あの女の人、優大のファンなんかなって思ったけど……」

周が言葉を切った。


「『けど』の先は言われんでも分かる……」

オレはひざを抱えた。



「……思ったけど、めちゃくちゃ引いてはったな!!」


周は笑顔で俺にトドメを刺した。