公園の中をぐんぐん進んでいくと。
芝生のスペースに、フリーマーケットのお店がたくさん並んでいた。
看板が立っていて、
『公園フリマ!午前10時開店、午後3時閉店!!』
と、書いてある。
公園に設置されている時計台を見てみると、まだ午前9時45分。
少し待って、お店の様子、見て行こうかな。
そう思ってぼんやり立っていると、
「すみませーん」
と、後ろから声がする。
カンカン帽をオシャレに被った、ストライプのワンピースが印象的な女性が、両手でダンボールを抱えて立っていた。
「あっ、ごめんなさい。お邪魔ですよね」
私は女性に謝った。
女性はニコニコ笑ってくれる。
「気にしなくていいよ」って言ってくれたみたいに。
抱えたダンボールが落ちそうになったので、咄嗟に私は手を出して、
「手伝います」
と言った。
「あっ、ごめんなさい。お店まで運ぶの、手伝ってもらえると嬉しいです」
「了解しました」
私はダンボールを半分持つ形で、彼女のお店であるブースまで運んだ。