「深雪さん、オレのこと見て」

ダメだよ。

今は顔なんか見られない。


「深雪さん!」

優大くんが私の両肩に手を置いて、ぐいっと半回転させた。

優大くんと目が合ってしまう。



「……私なんかと会ってちゃダメだよ」
声が震えてくる。


優大くんの瞳が。

夕焼け空の瞳が。


私をじっと見つめている。







「別れよう?優大くん」










涙声になってしまった。


頬に小さな涙の雫がポツッと落ちる。


「なんで?」
優大くんが傷ついた顔をしている。

私なんかのせいで。




「なんででも」



恨まれたり。
憎まれたり。

批判されたって。


そんなの耐えられるし、そもそもどうでもいい。




でも。



どうしても嫌なの。




優大くんの輝く場所を奪ってしまうことが。