夏。
私は今、優大くんと、優大くんの地元にいる。
週末のお昼過ぎ。
駅のロータリーで。
優大くんのお父さんの車が到着するのを待っている。
「緊張し過ぎです、深雪さん」
優大くんが軽く私を小突く。
「あの、あの、あのっ……」
「ほら、リラックスしてください」
「あの、私、変じゃないですか?」
優大くんは、
「いや?変じゃないです」
と、私をじっと見た。
「でも地味ですよね?この洋服、やっぱりおかしいのかな?やっぱり私、もっとオシャレしたほうが……」
「地味じゃないし、おかしくないし、深雪さんは深雪さんでいいんです」
優大くんはそう言って、
「はい、深呼吸して」
と、笑った。
言われた通り、深呼吸を3回。
……でも、緊張は解けない。
「優大!」
背後から声がした。