「んにゃーーーんっ!」






大きな声が部屋中に響いた。




「……マーチです」
優大くんが少し残念そうに言った。

「そうみたいですね」
そう言って目を開けると、ソファーのすぐ近くまでマーチとポルカがやって来ていた。



「お腹、空いてるのかな」
優大くんは私を抱きしめたままで、マーチを見た。


マーチはソファーに飛び乗り、優大くんのそばでゴロンと寝転んだ。


優大くんは私から離れて、マーチを撫でる。


「どうした?」
優しい声でマーチに話しかける優大くん。

その時、マーチはチラッと私を見て、
「うにゃ〜ん」
と、鳴いた。



それは勝者の目で、
「ほら、優大くんは私のほうが好きなのよ」
と、言われているみたいだった。



「マーチは、女の子ですか?」
優大くんに聞いてみる。

「あ、はい。よく分かりましたね。マーチもポルカも女の子です」



……やっぱりね。



ちょっとだけマーチに嫉妬しつつ、だけど撫でなでされている可愛いマーチをこのまま見ていたい、という複雑な気持ちになった。