あぁ、ダメだ。
心臓がもたない……。
こんなにピッタリくっついていたら、私がドキドキしていることがバレちゃう。
ドキドキドキドキ……。
……あれ?
なんか、私のじゃないドキドキが、体を通して聞こえてくる……?
「優大くん?」
「何でしょう?」
私は優大くんの胸に耳を当てた。
ドキドキドキドキ…。
「ドキドキと聞こえます」
私なんかを抱きしめて、ドキドキしてくれている?
顔を見たくて。
優大くんの腕の中から、優大くんを見上げる。
「!!」
顔が赤い!!
「……見ないでくださいよ」
本人も自覚しているのか、私の頭を優しい動作で自分の胸に押し当てた。
「好きな人を抱きしめてたら、ドキドキして当たり前でしょう?」
ちょっとだけ拗ねたみたいな声。
……可愛い!
「あの、ありがとうございます」
好きな人って言ってもらえて。
ドキドキしてもらえて。
そのことが、こんなにも嬉しいことだなんて。