「マーチとポルカが、リビングに帰って来ませんね」

出来上がったハンバーグをお皿に盛りつけつつ、私は少しキョロキョロした。


「多分寝室かな?マーチとポルカもそこで寝ていることが多いので」


「そうですか」
やっぱり嫌われているのかな、と思うとなんだか悲しい。



「お腹が空いたらきっとリビングに来ます。ポルカは食いしん坊なんですよ」

「食いしん坊……」

「時々マーチのごはんを奪ってしまって、マーチに怒られてしょんぼりしています」

「えー、可愛いですね!」
そんな姿、見てみたい。



それから。
優大くんと作った晩ごはんを食べた。


ハンバーグと、野菜たっぷりのサラダ、余った玉ねぎを入れたスープ。



「美味しいですね」
口の中が幸せな味がする。


「また一緒に作りましょうね」
優大くんも嬉しそうな顔をしていて、そのことで心の中も幸せな気持ちでいっぱいになる。




ごはんを食べ終わり、食器を片付け終わる。


私はいつ渡そうかなと思っていた、チョコレートを鞄から出した。