「今日は動物園と本屋さんに行って来ましたよ」
優大くんに温かい紅茶を淹れるためにキッチンに立つ。
優大くんも私のそばまで来て、私の手元を見ている。
「いいなぁ、動物園かぁ」
「優大くんはライオンが好きですか?」
「あ、好きです。動物園のライオンは、大きな猫みたいだなって思ってしまいます」
その返事に安心した私は、「ちょっと待っててください」と、鞄の中から包み紙を出した。
「はい、お土産です」
優大くんに手渡す。
包み紙を開けた優大くんは、
「あはっ、可愛い」
と少年みたいに笑った。
ライオンがちょこんと座っている、小さなぬいぐるみ。
「部屋に飾りますね」
紅茶を飲みながら優大くんが、
「良い1日でしたか?」
と聞いてくれた。
私は満面の笑みで、
「はい。優大くんと会えましたから」
と、答えた。