部屋を出て。
電車に乗って、動物園まで行った。
ひと通り見て回る。
私のお気に入りの動物は、ライオン。
カッコいいし、気高くてどこか孤独な感じにも惹かれる。
ライオンの檻の前に来ると足を止めて、じっくり観察した。
「……眠そう」
真冬とはいえ、今日はよく晴れた青空の広がる良いお天気で。
ライオンの目が、なんとなくトロンとしている。
優大くんがもし、ここにいたら。
なんて言うんだろう?
ふとそう思った。
こんな眠そうなライオンを見たら、きっと優大くんなら「可愛い」って目を細めそう。
優大くん、ライオン好きかなぁ?
いつかふたりで見に来たいなぁ。
ライオンを眺めながら、気づけば優大くんのことばかり考えてしまう自分がいた。
動物園の中にあるグッズショップに寄ってから、私はまた電車に揺られて、家の近所まで帰って来た。