出来上がったココアをお鍋からマグカップに注ぐ。
ほかほかの湯気が優しい。
「テレビでもつけますか?」
そう言って、私はテレビリモコンの電源ボタンを押した。
ちょうど夜のトークバラエティー番組が流れる。
いつもテレビなんてあまり観ないから、なんとなく新鮮な気持ち。
司会の男性が今夜のゲストを呼んだ。
『では、ご登場していただきましょう!「シー・ファンキーズ」の優大さんです!』
その時優大くんが、
「あっ!」
と驚いた声を出した。
?
何をそんなに慌てているんだろう?
呑気にそんなことを考えていたら。
テレビ画面に現れたのは……。
「優大くん!?」
黒いスーツでビシッと決めた、優大くんが映っている。
……え?
え!?
私の目は点になる。