でも。

「私、のんびり屋さんなのかな?」

どんな些細なことでも知りたいけれど。


ゆっくりでいい気がする。

私と優大くんはまだ、付き合って間もないわけだし。



これから知っていけることがたくさんある。

そんなふうに考えたほうが、きっと楽しい。










夜。
ひとり暮らしの部屋。

私は古い洋楽を聴きながら、絵を描いていた。


絵を描くことは大好きで。

昔は大きなキャンバスにたくさんの絵の具を重ねていた。


今は鉛筆やボールペンで、ちょっとした落書きを楽しんでいる。

眠るまでの、私だけの時間。





ピロリン。

スマートフォンにメッセージが届いた。



『まだ起きていますか?』

……優大くんからだ!

嬉しくなって、
『起きています。お仕事、お疲れ様でした』
と、返信する。



優大くんからもすぐに返信がくる。

『会いたいです』


胸の中がきゅうっと苦しくなる。