これを渡された時。

『私、プレゼントを何にも用意していませんでした!』

私は真っ青になった。

本当にプレゼントのことなんてすっかり忘れていたから。


優大くんは、
『いや、オレがあげたいなーって思っただけなので、受け取ってもらえると嬉しいです』
と笑ってくれた。






優大くんのお気に入りのアクセサリーブランドのものらしい。

私もすっかり気に入って、大切に使おうと決めた。

私なんかには勿体ないとは思うけれど。








「で?深雪ちゃん、最近どうしてるの?」
カウンターの中に戻った私に、田谷さんが尋ねる。

「どうって……、元気に働いています」
今もこうして、ここで。


「ちっがーうよ!それは見れば分かるよ!オレが聞いてるのは深雪ちゃんのことじゃないよ!」

「え?」

何のことやらよく分からない。


「武岡さんはどうしてるのってこと!付き合ってるんでしょう?でも武岡さん、最近ここに来ないじゃない」


「えっ、なんで!?付き合って……!?」
私、誰にも話してないのに!