「……じゃあ、オレから言ってもいいですか?」
……!?
「小森さん、こっち向いてください」
武岡さんの両手が伸びてきて、私の両頬を包んだ。
武岡さんと目が合う。
どうしよう。
振られる?
そしたらもう、こんなふうに会えない?
泣きそう……!
「オレも小森さんが好きです。付き合ってください」
……えっ。
「えっ!?」
今、言われた?
好きって、言われた?
「あっ、あの……」
何か言わなくちゃ。
嬉しくて。
現実のこととは思えなくて。
私の目から涙が出てきた。
「……私なんかで、いいんですか?」
武岡さんはニッコリ笑って、
「小森さんが、いいんですよ」
と言った。
両手で涙を優しく拭いてくれた武岡さんは、
「……優大です」
と、呟いた。
「え?」
「オレの名前、優大っていいます」
……優大。
どこかで聞いたことあるような……?
一瞬だけそう思ったけれど、
「優大……くん、って呼んでいいですか?」
と尋ねた。
武岡さんは少しだけ目を丸くして、
「……じゃあ、深雪さんって呼んでいいですか?」
と言った。
……ハッ!!