そうだ。



私には、優大がいる。






高校を卒業するまで、彼氏が出来なかったのは。




クラスの男子達を優大と比べては、幻滅していたからだ。





優大のことが、あんなに大好きだったのに。









『星の降る夜には』を歌い終わると、聴いたことのない曲が始まった。


画面右上には、『大ヒット新曲』の文字。




私、いつの間にか「シー・ファンキーズ」の新曲をチェックしないようになっていたんだ?





「大変だ……!」





私は慌ててビデオリモコンを手にして、録画ボタンを押した。