息子さんに頼んで車を出してもらい、お嫁さんに付き添われながら受診したんだそう。


「もうねー、息子ったら心配するより怒るの。歳なんだから、無理すんなーって」

「それ、心配なさってますよ」

「そうかなー?じゃあ、怒らないでほしいねー」

おばあちゃんはニカッと笑う。


「いてて」と言いながらなんとか起き上がったおばあちゃんは、
「悪いねー、深雪ちゃん。そこの小さなテーブル、こっちに寄せてくれる?コーヒー飲みたいから」
と、部屋の中央にあった折り畳み式の小さなテーブルを指差した。


私は言われたとおり動く。


無事にコーヒーを口にしたおばあちゃんは、
「本当にねー、あんたは良い子だね」
と私の頭を撫でた。



「えっ、そうですか?ありがとうございます」
少しだけ照れてしまう。



「深雪ちゃん、ご家族は?店長って、あんたの伯父さんなんでしょう?」