「そうなの?私、これからお店に行くから、おばあちゃんによろしくね」

幸絵さんはニコニコ笑って手を振ってくれた。


私も手を振り、おばあちゃん家まで急ぐ。








「こんにちはー、『黒猫』です。コーヒー、お持ちしましたー」

店先で声を張る。



「あー、深雪ちゃんかな?入ってー!上がってー」
1階の奥の部屋。
住居になっている所から、元気そうなおばあちゃんの声が聞こえた。



「大丈夫ですかー?お邪魔しまーす」


私は靴を脱いで、部屋に上がった。



おばあちゃんは布団の中から、
「ごめんねー、ありがとう」
と声をかけてくれた。


「……朝からぎっくり!ってなっちゃったんだわー」
はははっと笑うおばあちゃん。
笑ったことで腰に響いたらしく、「いてて」と顔をしかめた。


「おばあちゃん、病院は?」

「行った、午前中!」