私の問いかけに優大はまた少し赤くなって、
「そうやなぁ。『苺』みたいやな」
と、笑った。
今まで見たこともないような顔で。
本当に嬉しそうに。
その時胸の中の何かが、音を立てて割れた。
「苺」は、私だと思っていた。
私こそが「苺」だって。
でも。
私じゃないんだ?
私じゃダメなんだ?
「待って」
呟いた声が、もう涙に混じっていた。
「待ってよ……」
優大がどんどん私の手の届かないところへ行ってしまう。
追いかけても、追いかけても。
私を置いてどんどん進んでいっちゃう。
「シー・ファンキーズ」になっちゃった時みたいに。
……お願い。
振り返って、聞いてよ。
「大丈夫?」って、いつもみたいに。