私は。
今まで1度だって、他のメンバーに紹介されたことなんてない。
なんで?
なんでよ、優大……!
「真希?」
優大が心配そうな声で、私を呼ぶ。
やめて。
泣きたくない。
大丈夫、まだ大丈夫なはず。
こんなの、全部嘘で。
優大が私にドッキリか何かを仕掛けているのかも。
だって、芸能人だし。
カメラを探せば、きっとどこかにある。
それで言ってくれる。
結婚してほしいのは、真希だけだよって。
ずっと好きだったのは、真希だけだよって。
「その……結婚する相手の人って……」
やめよう。
そんなこと聞いてどうするの。
私の可能性を、自分から潰すことなんてない。
そう思っても、口からするりと出てきた。
「……『苺みたいな人』?」