「大事な人がいるねん」




そう言って少し赤面した優大に、私は一気に青ざめた。






「結婚するって……」


私の声は震えている。




「真希?」



優大が不思議そうな顔をしている。





「大丈夫か?なんか顔色悪いけど」

そう言ってベッドから立ち上がり、私のほうへ来てくれた。

相変わらず優大は優しい。



でも。


待って。


ちょっと待ってよ。




「し、仕事は?」

なんとか現実的に、優大の結婚を思いとどまらせたい。

そう思って出た咄嗟の言葉だった。



「仕事はどうすんの?メンバーにはなんて説明すんの?」





お願い。


結婚なんてしないで。




「あ、うん。みんな祝ってくれたよ。ちゃんと説明して、紹介もした」

優大はニッコリとして答える。


本当に嬉しそうに。





……なんで?

なんでメンバーの人達は止めないの?

結婚なんて、大変な事件じゃない。

これからの仕事に響く可能性だってあるでしょう!?



それに。