そう言われて私は何も考えずに頷き、カフェまでついて行った。
カフェに着く頃にはすっかり鈴井くんのことが気になって仕方ない状態だった。
恋人はいるんだろうか?
私のこと、どう思っているんだろう?
今日、これからの予定はあるんだろうか?
「黒猫」というカフェに着くと、入り口のドアを開けて鈴井くんが、
「どうぞ」
と、待ってくれた。
これがレディーファースト!
初めてされた!
今までの彼氏にはされたことがない。
驚きと嬉しさで舞い上がりそうになる。
「黒猫」の店内にはカウンター席と、ボックス席がいくつかある。
ナチュラルで丁寧な内装に見惚れていたら、女性店員がボックス席へ案内してくれた。
ナチュラルメイクの、少し地味な印象の店員さんだったけれど、接客態度が丁寧だと思った。
「こちらがメニューです」
店員さんが渡してくれたメニュー表を見つめる。