仕事が終わって。
私はウキウキ気分で、会社をあとにした。
美容院の予約の時間まで、少しある。
お茶でもして時間をつぶそう。
そう思って、ひとり街を歩いていたら。
雰囲気の良さそうなカフェを見つけた。
看板を見ると、「黒猫」と書いてある。
私は「黒猫」の店内へ入った。
「いらっしゃいませ」
カウンターの中から、50〜60代くらいの男性店員が声をかけてきた。
ナチュラルテイストな内装。
静かに流れるクラシックの音楽。
近寄ってきた女性店員が、席に案内してくれる。
夜7時になる少し前。
あまり客がいない時間なのかな?
店内には客がパラパラといるけれど、ひとり客の私をボックス席に案内してくれた。
「こちらがメニュー表です。お決まりでしたら、お呼びください」
そう言う女性店員の態度はとても丁寧だ。