鈴井くんとは、駅のホームで初めて話した。
電車を待っている時。
突風が吹いて。
「わあっ!?」
という声がした。
白い紙がバラバラと風にのって散らばっていく。
「すみません、ごめんなさい」
謝りつつ、紙を拾っているのが鈴井くんだった。
「手伝います」
私も紙を拾った。
「全部ありますか?」
集めたものを渡して確認してもらうと、鈴井くんはニコッと笑って、
「助かりました」
と言った。
電車が来るまで少し話していたら、すぐに盛り上がってしまった。
鈴井くんの話は面白い。
電車が来ても、私達はホームに残って話していた。
「この近くに良い雰囲気のカフェがあるんですけど、行きませんか?」