数日後。
「シー・ファンキーズ」のミュージック・ビデオを観ながら、ネイルのお手入れをしていた時。
スマートフォンに着信があった。
夜の7時半。
画面を覗くと、『優大』の文字。
……!!!
慌てて電話に出た。
「もしもし?優大?」
……あっ、しまった。
喜びすぎて、声が浮かれている。
『もしもし、真希?ごめんな、忙しい?』
久しぶりに聞く優大の少しハスキーな声。
耳から幸せになる。
「忙しくないから大丈夫やで。どうしたん?」
優大が関西弁のイントネーションで話すから、私も関西の言葉に戻った。
仕事の時には地元の言葉を話さないようにしている「シー・ファンキーズ」のエピソードをテレビか何かで知って以来、私も東京で知り合った人達の前では地元の言葉で話さないようにしている。
優大と同じようにしたかったから。