嬉しい。


嬉しくて、胸の中が苦しい。



頭の中で「シー・ファンキーズ」の曲が自然と流れてくる。



大好きな曲。



『星の降る夜には』を、心の中で優大と一緒に歌う。





この曲は悲しい出来事があったから生まれた曲。

「シー・ファンキーズ」のファンの女の子が、何年か前に自殺をしてしまった。

優大の大ファンだったらしくて、ポケットの中には優大に宛てた遺書のようなものが入っていたらしい。


優大にはショックが大きかったと思う。



だって。


弟の蒼大(そうだい)のことも、自殺で亡くしているから。



この曲を初めて聴いた時。


キレイなバラードだなぁ、ラブソングかなぁ、くらいしか思わなくて。


その頃にSNSを始めた優大が、『「命の大切さ」を伝えたかった』と言って。

世の中は、ファンの女の子の事件を思い出した。


それから優大は、蒼ちゃんが自殺で亡くなっていることも公表した。


もっとも、ファンの中にはどうやって知っていたのか、蒼ちゃんのことを知っている人もいたらしいけれど。