でも。
口にふくんだココアラテをゴクリと飲み込む。
もしも。
もしも、私のことだったら?
優大から私に対しては、都会的なイメージは無いだろう。
だって、地元の幼馴染みだから。
地元の幼馴染みに対して、田舎のイメージはあるかもしれない。
ホッとする地元の景色に、私の姿を思い出すのかもしれない。
「『苺』じゃん、私……」
本格的にニヤニヤしてしまう。
やっと。
やっと、だ。
長い片想いだったけれど。
その想いが、とうとう実る。
真っ赤な苺になって。
「あの子じゃなくて、私だったんだ」
カフェを出て、街を歩く足取りは軽い。
ぽつりと呟く声も、生き生きしている。
あの子じゃない。
正直、どこが好きなのか分からなかった、初恋のあの子じゃない。
私なんだ。
今度こそ!