「苺みたいな人」。
優大がそんなこと言うから。
世間が騒いでしまった。
そして、ずっと私の心に引っかかっている。
仕事がやっと終わった。
午後から明菜ちゃんがトラブルを起こして、なかなか帰ることが出来なかった。
まだ会社に残っている人もいるはず。
疲れた心を癒すため。
ふらっと立ち寄った行きつけのカフェ。
私は窓のそばの席に座り、お気に入りのココアラテを飲みながら、外の景色を見ていた。
夜の東京の街は、明るい。
街を歩く人達はみんなオシャレで、どこか冷たく感じる。
その時、ふと思った。
「苺」のイメージって何だろう?
苺って、なんか……都会的じゃなくない?
私には田舎のイメージがあるけど。
でも可愛い。
そこは間違いない。
もしかして、「苺」って……。
優大が言った「苺」の意味って……。
私のことかもしれない……?
いや、それはポジティブ過ぎるか?
ココアラテをひと口飲んで、ニヤケそうになる自分を落ち着かせた。