「……一緒に見る?」
お風呂から上がって。
それぞれ化粧水や乳液を塗っている時。
私はなんでもないふうに、真に尋ねた。
一緒に見てほしい、と思っていた。
「お姉ちゃん、ダメだよ」
意外にも、真は厳しい声で言った。
「……ダメ?」
「ふたりの約束事だよ。それも、清香ちゃんとの約束事なんだよ」
「うん」
「……頑張って、お姉ちゃんが受け止めてあげなくちゃ。ちゃんと約束を果たしてあげてね」
「……うん」
真は「よし!」と言って、私の頭をぐちゃぐちゃに撫でた。
……全く。
どっちが年上なんだか分からないな。
そんなふうに思いつつ、真がいてくれて良かったと心から思った。
「清香ちゃんに会ってくる」
そう言って、私は真と別れた。
自分の部屋に行く。
青色と白色のボーダー模様の大きな缶の入れ物が、静かに部屋の中央に座っているみたいに見えた。