「きれいなクッキーですね」


「街で流行っているそうです」


王女プリムローズ
侍女ユーリ
護衛隊ハルカ

謎メンでのお茶会が始まったものの
プリムローズはほとんど声を発さない


「姫様」


出来るだけ優しい声を出したつもりでも華奢な肩が縮こまった


「わたしが怖いですか?」


大きな目が見開かれ
「申し訳ありません」と謝罪


「わたくし、ずっと失礼な態度を」


「いやそんなことは。
こんな見た目ですから敬遠されるのは慣れっこです」


「……わたくし、殿方とお話しする機会があまり無かったものですから」


「そうでしたか」


世の中のお姫様は
16歳までほぼ男と話さずに生きてこれるのか

確かにこれだけの美貌であれば
野に放したとたん下世話な男どもの餌食になるだろう

王か、亡き王妃のどちらの意向かは知らないが判断は間違っていまい



「ハルカ様は、先日の武闘会で優勝されたとか」

ユーリが無理やり話題を作ってくれた


「あぁ、わたしは出場していません」


姫様の前で様はやめて欲しい旨を再度伝える


「え?」


「優勝したのはわたしではなく、昼間同行していたセナの方です。」


「あの、きれいな女性の方ですか?」


あなたの方がきれいですよ
という言葉を飲み込んだ