それから1週間後、2人は馬に乗って葛城山を目指した。
季節も5月に入ったので、あちらこちらで色鮮やかな花がたくさん咲いていて、蝶や鳥も飛んでいた。
またその草木からくる独特の匂いから、余計に春の訪れを感じさせれられる。
「この時期に葛城山に向かうのは本当に気分が良いですね」
さらに今日は天候にも恵まれていて、2人は蒼天の空を見上げた。
韓媛は皇子と違って余り自由に外を馬で走りまわれない。
なので今回のような遠出はそうそうできるものではなかった。
「確かにそうだな。俺からすればこれぐらいの遠出は大したことないが、韓媛にとっては貴重だろう」
「本当にそうですね。大泊瀬皇子、今日は誘って下さって本当に有り難うございます」
韓媛は大泊瀬皇子に感謝を込めてそう伝える。彼女も久々の遠出なのでとても嬉しく思う。
大泊瀬皇子もそんな嬉しそうな彼女を見ていると、ついつい自身まで嬉しくなってくるようだ。
「まぁ頻繁にとはいかないが……今は円もいないことだし、また俺がどこかに連れていってやる」
そしていよいよ2人は葛城山のふもとまでやってきた。そこから2人は馬の速さを少し落とし、そのまま山を登っていく。
山を登る道中もさまざまな風景がかいまみられ、韓媛はそんな景色にとても感動した。葛城山は過去にも何度かきているが、やはり葛城の山は本当に美しいと彼女は思う。
その後も2人は山を登り続けて割りと高い所までくることができた。
それなりに高い所までこれたので、一旦馬を降り少し周りを歩いてみることにした。
前に吉野に行った時は、韓媛が川に流されてしまい大変な目にあっていた。そのため大泊瀬皇子は彼女の手をしっかりと握って歩いている。
「大泊瀬皇子、本当に綺麗ですね。わりと遠くの方まで見渡せますよ」
韓媛は満面の笑みを浮かべながら楽しそうに話している。
こんな山の中はそうそう人が訪れることはない。なので他の人の目をとくに気にすることなく、2人は葛城の山を楽しむことができた。
それからしばらくして、大泊瀬皇子が少し休憩しようといってきたので、2人は近くにあった木のふもとに座ることにした。
そして大泊瀬皇子は、自身が持ってきていた竹で作られた筒を韓媛に渡す。筒の中には冷たい水が入っていた。
彼女も皇子から水をありがたく受け取って飲む。
「とても良い気持ちですね。今日は皇子と2人でこれて本当に良かったです」
韓媛は水を半分ほど飲むと、筒を大泊瀬皇子に渡す。
すると彼はその残りの水を一気に飲み干した。
「俺もできるだけお前に会いに行きたいとは思ってる。だがいつも都合よく行ける訳でもない」
韓媛はそ皇子の発言を聞いて少し意外だなと思った。
「まぁ、皇子は割りとよく会いにきて下さってると思いますよ」
彼はどんなに間が空いても2週間を越えることはなく、これは普通に多い方だろうと彼女は思う
「通常妃の元に通うとなれば、人によってはもっと頻繁に行くだろ。それができないのが本当に歯がゆい……」
どうやら彼の中で韓媛は既に妃の扱いになっているようだ。
季節も5月に入ったので、あちらこちらで色鮮やかな花がたくさん咲いていて、蝶や鳥も飛んでいた。
またその草木からくる独特の匂いから、余計に春の訪れを感じさせれられる。
「この時期に葛城山に向かうのは本当に気分が良いですね」
さらに今日は天候にも恵まれていて、2人は蒼天の空を見上げた。
韓媛は皇子と違って余り自由に外を馬で走りまわれない。
なので今回のような遠出はそうそうできるものではなかった。
「確かにそうだな。俺からすればこれぐらいの遠出は大したことないが、韓媛にとっては貴重だろう」
「本当にそうですね。大泊瀬皇子、今日は誘って下さって本当に有り難うございます」
韓媛は大泊瀬皇子に感謝を込めてそう伝える。彼女も久々の遠出なのでとても嬉しく思う。
大泊瀬皇子もそんな嬉しそうな彼女を見ていると、ついつい自身まで嬉しくなってくるようだ。
「まぁ頻繁にとはいかないが……今は円もいないことだし、また俺がどこかに連れていってやる」
そしていよいよ2人は葛城山のふもとまでやってきた。そこから2人は馬の速さを少し落とし、そのまま山を登っていく。
山を登る道中もさまざまな風景がかいまみられ、韓媛はそんな景色にとても感動した。葛城山は過去にも何度かきているが、やはり葛城の山は本当に美しいと彼女は思う。
その後も2人は山を登り続けて割りと高い所までくることができた。
それなりに高い所までこれたので、一旦馬を降り少し周りを歩いてみることにした。
前に吉野に行った時は、韓媛が川に流されてしまい大変な目にあっていた。そのため大泊瀬皇子は彼女の手をしっかりと握って歩いている。
「大泊瀬皇子、本当に綺麗ですね。わりと遠くの方まで見渡せますよ」
韓媛は満面の笑みを浮かべながら楽しそうに話している。
こんな山の中はそうそう人が訪れることはない。なので他の人の目をとくに気にすることなく、2人は葛城の山を楽しむことができた。
それからしばらくして、大泊瀬皇子が少し休憩しようといってきたので、2人は近くにあった木のふもとに座ることにした。
そして大泊瀬皇子は、自身が持ってきていた竹で作られた筒を韓媛に渡す。筒の中には冷たい水が入っていた。
彼女も皇子から水をありがたく受け取って飲む。
「とても良い気持ちですね。今日は皇子と2人でこれて本当に良かったです」
韓媛は水を半分ほど飲むと、筒を大泊瀬皇子に渡す。
すると彼はその残りの水を一気に飲み干した。
「俺もできるだけお前に会いに行きたいとは思ってる。だがいつも都合よく行ける訳でもない」
韓媛はそ皇子の発言を聞いて少し意外だなと思った。
「まぁ、皇子は割りとよく会いにきて下さってると思いますよ」
彼はどんなに間が空いても2週間を越えることはなく、これは普通に多い方だろうと彼女は思う
「通常妃の元に通うとなれば、人によってはもっと頻繁に行くだろ。それができないのが本当に歯がゆい……」
どうやら彼の中で韓媛は既に妃の扱いになっているようだ。