「ねぇ、大泊瀬皇子。もし阿佐津姫がもっと若くて、誰にも嫁いでいなければ、彼女を娶りたいと思いますか?」
韓媛はふと気になって大泊瀬皇子に聞いた。元々彼は皇女を正妃にと望んでいたので、阿佐津姫のような姫がいたら、婚姻の申し込みを考えたりはしなかっただろうかと。
「ふん、どうだろうな。仮にもし俺が申し出た所であっさりと跳ね返されるだろう。というか、それ以前に俺はああいう性格のきつい娘は好きではない」
大泊瀬皇子は全く何の動揺もなくそういい切った。
「あら、そうですか。まぁ大泊瀬皇子らしい答えですね」
韓媛はそれを聞いて少し可笑しくなってしまい、前の2人に気付かれないようにしながら少し笑う。
特に嫉妬する訳ではないが、彼がどんな姫に興味を持つのか少し気になった。
そんな韓媛の様子を見て大泊瀬皇子は、どうして女性はこういう内容の話しを話題にしたがるのかと、少し呆れる。
「まぁ、そういう意味でいうと、俺はお前が相手で本当に良かったと思う」
そういって彼は韓媛の頭を軽く「ポンポン」と叩いた。
彼からしてみればきっとこれは本心なのだろう。
「まぁ、大泊瀬皇子ったら、うふふ」
韓媛は大泊瀬皇子にそういわれて、とても嬉しい気分になった。
どうして彼が自分を選んだのかは正直分からないが、そんな彼に好いてもらえて、今は本当に幸せだなと思う。
韓媛がそんなことを考えていると、彼女らの横に別の馬が並んできた。相手を見ると、それは忍坂姫と彼女の従者の者だった。
「あなた達、何こんな所で必要以上に仲良さげにしているのよ。まぁ気持ちも分からなくもないけど」
忍坂姫はそんな2人を見て、少し愉快そうにしながらいった。
「ただ普通に話しをしているだけだ。別に誰かに迷惑をかけている訳ではない」
大泊瀬皇子は忍坂姫にそういわれて、少し不愉快そうな表情を見せる。
「別に怒っていっている訳ではないでしょう。まぁ仲良くしたいなら、他の人の目の入らない所でするようにしなさい」
忍坂姫は少し呆れたような感じで自身の息子にいった。
一方韓媛は忍坂姫と大泊瀬皇子の間に挟まれて、中々上手く言葉が出てこない。
(この感じ、少し気まずいわ……)
忍坂姫もそんな韓媛の様子を見てどうも察したらしく、続けていった。
「じゃあ私は先に行ってるわ。韓媛もこんな息子で本当にごめんなさいね」
忍坂姫はそういうと、前にいる市辺皇子と阿佐津姫の元に走っていった。
そんな彼女らを後ろから見て、大泊瀬皇子は少しため息をこぼす。
「母上は少しお節介な所があるからな。きっと俺たちのことが気になって声をかけてきたのだろう」
そんな彼の言葉を聞いて、韓媛もやはり母親というのはそういうものなのかと思った。自分の母親がまだ生きていたならば、今頃はどう思っていたのだろうか。
「とりあえず、今日中には息長には入れるだろう。明日は1日休んでその翌日に俺は狩りにいってくる。お前は申し訳ないが、母上達の相手を頼む」
大泊瀬皇子は韓媛に母親達の相手をさせることに、少し申し訳なく思う。
「はい、分かりました。私は皇后様達と楽しく息長で過ごしてますので、皇子達は心置きなく狩りにいってきて下さい」
韓媛は笑顔で大泊瀬皇子にそう答えた。韓媛も皇后の忍坂姫や阿佐津姫と色々話しをしてみるのは、心なしか楽しみである。
そして尚も彼らは馬を走り続けて、その日のうちに無事息長に辿り着くことができた。
韓媛はふと気になって大泊瀬皇子に聞いた。元々彼は皇女を正妃にと望んでいたので、阿佐津姫のような姫がいたら、婚姻の申し込みを考えたりはしなかっただろうかと。
「ふん、どうだろうな。仮にもし俺が申し出た所であっさりと跳ね返されるだろう。というか、それ以前に俺はああいう性格のきつい娘は好きではない」
大泊瀬皇子は全く何の動揺もなくそういい切った。
「あら、そうですか。まぁ大泊瀬皇子らしい答えですね」
韓媛はそれを聞いて少し可笑しくなってしまい、前の2人に気付かれないようにしながら少し笑う。
特に嫉妬する訳ではないが、彼がどんな姫に興味を持つのか少し気になった。
そんな韓媛の様子を見て大泊瀬皇子は、どうして女性はこういう内容の話しを話題にしたがるのかと、少し呆れる。
「まぁ、そういう意味でいうと、俺はお前が相手で本当に良かったと思う」
そういって彼は韓媛の頭を軽く「ポンポン」と叩いた。
彼からしてみればきっとこれは本心なのだろう。
「まぁ、大泊瀬皇子ったら、うふふ」
韓媛は大泊瀬皇子にそういわれて、とても嬉しい気分になった。
どうして彼が自分を選んだのかは正直分からないが、そんな彼に好いてもらえて、今は本当に幸せだなと思う。
韓媛がそんなことを考えていると、彼女らの横に別の馬が並んできた。相手を見ると、それは忍坂姫と彼女の従者の者だった。
「あなた達、何こんな所で必要以上に仲良さげにしているのよ。まぁ気持ちも分からなくもないけど」
忍坂姫はそんな2人を見て、少し愉快そうにしながらいった。
「ただ普通に話しをしているだけだ。別に誰かに迷惑をかけている訳ではない」
大泊瀬皇子は忍坂姫にそういわれて、少し不愉快そうな表情を見せる。
「別に怒っていっている訳ではないでしょう。まぁ仲良くしたいなら、他の人の目の入らない所でするようにしなさい」
忍坂姫は少し呆れたような感じで自身の息子にいった。
一方韓媛は忍坂姫と大泊瀬皇子の間に挟まれて、中々上手く言葉が出てこない。
(この感じ、少し気まずいわ……)
忍坂姫もそんな韓媛の様子を見てどうも察したらしく、続けていった。
「じゃあ私は先に行ってるわ。韓媛もこんな息子で本当にごめんなさいね」
忍坂姫はそういうと、前にいる市辺皇子と阿佐津姫の元に走っていった。
そんな彼女らを後ろから見て、大泊瀬皇子は少しため息をこぼす。
「母上は少しお節介な所があるからな。きっと俺たちのことが気になって声をかけてきたのだろう」
そんな彼の言葉を聞いて、韓媛もやはり母親というのはそういうものなのかと思った。自分の母親がまだ生きていたならば、今頃はどう思っていたのだろうか。
「とりあえず、今日中には息長には入れるだろう。明日は1日休んでその翌日に俺は狩りにいってくる。お前は申し訳ないが、母上達の相手を頼む」
大泊瀬皇子は韓媛に母親達の相手をさせることに、少し申し訳なく思う。
「はい、分かりました。私は皇后様達と楽しく息長で過ごしてますので、皇子達は心置きなく狩りにいってきて下さい」
韓媛は笑顔で大泊瀬皇子にそう答えた。韓媛も皇后の忍坂姫や阿佐津姫と色々話しをしてみるのは、心なしか楽しみである。
そして尚も彼らは馬を走り続けて、その日のうちに無事息長に辿り着くことができた。