「どっから予算出てんの?って感じ。けど、それだけ学校側もREDと一般生徒の関わりを減らしたいってことなんだろうね。前に、男子寮が他の暴走族に襲撃された事件もあったし」



襲撃事件!? なんて恐ろしい……!!



「特別寮、セキュリティが他よりすげえ厳しいのね。けどそれって、安全のためってよりも、“REDの学内での行動を規制するため”らしいよ」


だから──と、相手は少しだけ目を伏せた。



「その寮は“檻”って呼ばれてる」




──それから授業が終わったあとも、ふたりはいろんなことを教えてくれた。


権力が集中しないように、REDの幹部はクラスも別々だとか。

教室に来なくても出席扱いになるだとか。



ただ、学校側が恐れているのは、あくまで一般生徒を巻き込んだ抗争。

生徒たちと深く関わらないことと引き換えに、REDのメンバーだけは日常的な外出・外泊を許可されているらしい。


つまり、仲間のみの「外」での行動には、学校側は口を出さないということ。
……出したくても、出せないってことなんだろうな。