「大事な体を、今日会ったばっかの男にこんな簡単に触れさせて……。あぶない女だね」

「……黒土くん、あの」



初めての経験で体が硬直しきってる。

それでも、こうやって触れたりするのは、私は好きな人とだけって決めてるから……!



「はな……離れてヘンタイ……!」



ゴツッ! 勢いのまま頭突きをした。

焦ってたからか、力加減がうまくできなくて。



「くっ、痛って……」
「ううう痛い……」

私たちの悲痛な声が重なった。



「ちょっとからかっただけなんだけど? 本気にしないでくれる?狂暴女ちゃん」



眉を寄せて、ゆっくり上半身を起こした黒土くん。


は! しまった!また怒らせちゃったかも!
頭突きまでして、こ、今度こそ殺される……っ!?



シャツのネクタイを緩めながら私の隣に腰を下ろした、彼を、ごくりと息を呑んで見つめる。