「い、一緒に眠るの……っ?」

「暴れるな落ちる、」


戸惑いから突き飛ばしそうになるのを、静かに制された。
必然的に怜悧くんの力は強まるわけで、そうすると私の脳は抱きしめられていると勘違いを起こし、どうしてか、

どうしてか――怜悧くんの背中に、腕を回してしまった。



な、に、やって……るんだろう。

離れようとしてたはずが、さっきよりも距離が近くなってる。



「……ま、間違えました……」


怜悧くんを抱きしめてしまった愚かな手を、ゆっくり引っ込めようとすれば、どうしてか途中で捕まってしまった。


「手ちっさ……」

「っ、ぅ」


確かめるみたいに暗闇でじっくりと輪郭をなぞられて。いったん離れたかと思えば、またからまって。
今度は私に確かめさせようとする。

怜悧くんの手が大きいの、見えないのにわかる……。

見えないのに……目が合ってるってこともわかる。