息は上がるし体温も上がるし、このまま何事もなかったかのように隣で再び眠りにつくなんてムリがある。
どうしよう、大問5……。
好きな人の腕に中にいる幸せと秤天にかける。
大問5を解くためには、この腕をすり抜けてテーブルに戻らなきゃいけない。
でも、ぴったりくっついた体を強引に離したら、怜悧くんが起きちゃうかもしれないよね。
どき、どき……。
たぶん無意識に私を抱きしめたんだと思う。
抱き枕みたいな感覚で。
胸が苦しいから離れたいのに、怜悧くんの体温はずっと感じていたい。
そんなときだった。
――ヴーッ、ヴーッと、スマホのバイブ音が鳴ったのは。