応援したくなんてない。その好きな人が誰かも知らないが、その人にフラれればいいと思う。

本当に恋愛なんてめんどくさいな、と思う。

それでも彼を独り占めしたいと思う、この気持ちに嘘はないのだ。

「……告白かぁ………司くんは俺のこと好き？」

不意打ちでそんな事を聞かれ、俺は戸惑った。

それでも平常心を保ち、「好きだぞ。友達としてだろ？」と聞いた。

「…………そうだね……」

「……で、廉の好きな奴はどこにいるんだ？ 告白するなら見守ってやるぞ」

俺がそう言うと、彼は首を横に振った。

「大丈夫だよ。その人には告らないから。新しい恋に挑戦するよ」

「…………え、なんでだ…？」

疑問に思いながら聞くと、廉は微笑むだけだった。とても悲しそうに笑うので、心配になった。