狭い部屋に布団を敷いた



結局

今日はどこも行かなかった



狭い部屋が布団でいっぱいになった



ばあちゃんちは

線香の匂いがしたけど

広かった



「朝日奈、布団敷いたよ」



「私、ベッドでいい」



「じゃあ、オレが布団…」



「ダメ…
星野もベッドだよ
だって私のメモに書いてあるもん
『星野のベッドで一緒に寝る』」



「や…だけど…」



「だけど?」



「一緒に寝たら、やっぱり…」



「やっぱり?」



言葉に詰まった



今日1日一緒にいたし

オレ限界かも…



やっぱり

したくなるよ



キス

じゃなくて



そーゆーこと



「一緒に寝たら
やっぱり…したくなるから…
準備とかも、してないし…」



「クリスマスだし、いいよ…」



そんな可愛く言ったって…



朝日奈

わかってる?



「キスじゃないよ…」



「うん…わかってるよ…
星野、準備してなかったの?」



「うん、ごめん…
でも、兄ちゃんの部屋にあるかも…」