「ごめん、親の相手してもらって…」



「んーん、楽しかったよ
料理もケーキも美味しかった
おばあちゃんもケーキ食べてるかな?
あ、甘いの食べれないんだっけ…
おばあちゃん可愛そう」



オレは

ばあちゃんじゃなくて

朝日奈が

可愛そうだった



「お父さんもお母さんも嬉しそうだったね
きっと星野が帰って来るの
待ってるんだと思うよ
東京に帰って来てほしんだよ」



待ってなんか

ないよ



誰もオレのことなんか



「でも、おばあちゃんも待ってるかもね
今頃、泣いてないかな?」



窓から外を覗く朝日奈が

かわいかった



「あと2年だね…
私も、考えなきゃ…
将来のこと…」



朝日奈は?



こっちに来るのかな?



なんとなく

聞けなかった